第2章 入学*茶倉
ふわり
ふわり
春の風が、眼前を桃色に染める。
桜吹雪舞うグラウンド。
(わぁ!きれい…!)
ありきたりな言葉だが、この光景にはそれがぴったりだった。
視界を美しく染めるその光景に、私は思わず足を止める。
なぜかはわからないけれど、桜を見ると胸がざわめく。
何かを告げるように。
サワリザワリ、
心が揺れる。
(これは高揚感なのかな?)
自分でも分からない気持ちを持って、桜を見上げる。
それに呼応するように、風が強く吹き、花びらの雨を降らせる。
ここは秀徳高校。
私は今日からここの生徒になる。
(楽しくなるといいなぁ!!)
純粋な期待。
新しい生活への期待に、胸を踊らせる。
私は再び歩き出した。
その一歩が。
その一歩が、私を変える青春の始まりだった。