第67章 もう一つの真実*高尾
「ど、どうぞ…」
中から弱々しく声がかかって、オレたちは病室に入った。
「ごめん、マジでごめん!」
とりあえずオレは謝り倒す。
故意じゃないにしろ、見たのは事実だ。
「いいよ、私も悪いし。」
ここで笑顔で許す優ちゃんは相変わらず流石というものである。
「一つ聞いてもいいか。」
「?…いいけど。」
「お前、白井の前で着替えていたのか。」
「う、うん。そうだけど…」
目をパチパチさせながら、さも当たり前のように優ちゃんは頷いた。
「千秋ならいいんじゃないかな?」
その言葉に驚愕したのは言うまでもない。
ちょっと待てよ、着替えを見られてもいいってどういうことだよ。
脳内が忙しく働くが結論が出そうにない。
というか出したくない。
考えるのを放棄しよう、そうだ、そうしておこう。
優ちゃん、オレが言うのもなんだけど、結構変わってるしな。
でもその後の言葉に、もっと驚愕することになる。
「だって女の子同士だもんね。」
「「は?」」