第67章 もう一つの真実*高尾
過去を聞いてから数日後。
優ちゃんはゆっくりと現実を受け入れているようだった。
そしていつもの笑顔を取り戻しつつあった。
退院するのも時間の問題だろう。
今日は部活がオフだから真ちゃんとお見舞いに来ている。
まあ部活があっても、終わった後にお見舞いに来たりもしてるけどな。
「真ちゃん、あん時さー」
「あれは仕方がなかったのだよ!」
どうでもいい話をしながら、病室に向かうと、部屋からは声が聞こえてきた。
「そうなの、涼くんも相変わらずだねぇ。」
「あいつは何時でもぶれないな。逆に凄い。」
「逆にって。」
優ちゃんの笑い声と、千秋の一定の調子の声。
診察中って訳じゃなさそうだな。
ノックもそこそこ、オレたちはドアをあけた。
「お邪魔しまー……っ!」
「失礼するのだ…っっ?!」
「え…!」
「あ、」
が、すぐに部屋から飛び出した。
ちょっと待って。
一回状況を整理したい。
お見舞いに来たら、中から千秋の声も聞こえた。
診察中じゃないと踏んだオレたちは部屋に入ってた。
で……見てしまった。
白地にピンクのレースとか、イメージと合いすぎてんだろ…じゃなくてっ!
見れちゃうとかラッキー…とかでもなくってっ!
なんで優ちゃんは上半身下着だけなんだよ!
心の叫びは真ちゃんと共鳴した、ような気がする。