第10章 流石なのだよ*緑間
「あのっ!」
沈黙を破ったのは意外にも茶倉だった。
「私…紅子先輩のようにかっこよくないし…頼りないかもしれませんが…皆さんの力になれるように、精一杯頑張ります!よろしくお願いします!!!!」
その声に拍手がおこった。
「格好いいなんて言ってくれてありがとう♪でも…優はそのままでいて☆」
橘さんが、茶倉をギューッと抱きしめる。
「!?」
その光景に俺は声を失った。
隣にいる高尾も呆然としている。
「止めねぇとマズくないか…?」
「あぁ。確かにな…。」
「あいつはまた…」
先輩たちはひそひそと話し合っている。
その間にも橘さんは茶倉を抱きしめる力を強めていった。
俺はそれを
見つめるしかできなかった。