第66章 真実*茶倉
やっぱり2人ともその考えに至ってたらしかった。
文化祭の後、桜花が2人にそのことを話したことも知っている。
終わりの見えない沈黙が訪れた。
「いや、そんなことはない。」
静まった空間で千秋の声がよく響く。
「いいよ…そんな嘘は。ありがとう。千秋は優しいね。」
自分の父を殺されておいて、それを許そうとするなんてなんて心が広いのだろう。
「………お前、自分が父さんを殺したと決めつけてないか。」
「え?」
一度瞬きをすると、世界がまた違って見えた。
今までただ眩しさだけに囲まれていて、自分は異端のように思えていた。
でもさっきの言葉で、もし、私のせいで亮さんが亡くなっていなかったらという希望が生まれてしまった。
…そんな希望いらないのに。
「気休めはいいの。はっきり言ってほしい。」
少し強めにそう言えば、千秋は呆れたようにため息をつく。
2人は黙ったままだった。
「じゃあはっきり言う。」
(ああ、これで…)
(やっと自分の罪と向き合える。)
「……父さんは病気で…事故の時にはもう余命3ヶ月だった。」