• テキストサイズ

黒バス triangleー青春はあっというまっ!

第65章 記憶と思い出*緑間


『皆さん、こんにちは!‘秀徳の昼下がり’のお時間です。今日の担当は私、高校一年三波紗音です!』

沈黙の中で聞こえる昼の放送。

「これって同じクラスの…」

高尾の呟きと放送がやけに大きな音に感じられたが、悪い気もしなかった。


三波が放送に乗せて柔らかな声を届けてくれるからだろうか?



『今日は例年よりも暖かくなっていますね。外でご飯を食べている方も多いのでは?放送室からも綺麗な青空と活気ある生徒の様子が見えますよ。』


その言葉で、目を窓の方へ向ける。

高尾も同じことを思っているらしく、顔がそちらに向いていた。





…茶倉は今、この空を見ているのだろうか。

……この空を見て、何を思うのだろうか。


素直に綺麗と思えていればいいのだが…












あいつの大好きな空はこんな時に限って、青く澄み渡っている。










心にその青さが染みるような錯覚を覚えた。






青に浸食されそれ以外のことが全部抜け落ちてしまうような、そんな錯覚を。









/ 505ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp