第62章 笑顔と愛*高尾
「「?」」
「だって…優が起きたとき、2人が悲しそうな顔してたら…この子までそうなっちゃうでしょ?」
手招きされて、ベットに近づく。
「…あなたたちの間に何があったかはわからない。」
「「っ!」」
春音さんの言葉に息をのむ。
まあ、そりゃなにかあったってことぐらいわかっちゃうだろうけど。
「それでも。優はあなたたちの側にいることを望んでるって思うの。……だから、いつ起きてもいいように2人はいつも通り…笑ってて。ね?」
凄く、凄く綺麗な微笑み。
その言葉と笑顔に罪悪感は洗い流されるようだった。
「はい…」
「わかったのだよ…」
その優しさに感謝しながら頷いた。
昨日の優ちゃんも凄いと思ったけれど、春音さんはそれ以上に思えた。
春音さんも辛いはずなのに…
これが母の愛ってやつなんだろうな。