第62章 笑顔と愛*高尾
「ごめんね、急に…」
春音さんが切なげに笑う。
こういう顔がそっくりで、やっぱり2人は親子なんだなって思った。
(って、こんな時になに考えてんだオレ…)
「いえ、こちらこそ…」
真ちゃんが申し訳なさげに目を伏せて、オレも罪悪感に苛まれる。
「春音さん。わざわざ連絡くれて、ありがとうございますっ…!」
ぺこりと頭を下げる。
「ふふっ……2人ともありがとね。優のために、そんな顔して。」
心からというわけではないが、少し笑ってくれる。
「俺は今、どんな顔をしているのだよ…?」
「目も当てられないような顔?」
思っていた事を口に出すと、
「それはお前だ、高尾!」
「マジかよ……プッ…アハハッ!」
「ふっ…」
オレたちは顔を見合わせて笑った。
そんなオレたちを見て春音さんも笑い出した。
「良かった~、2人が笑ってくれて。」