第62章 笑顔と愛*高尾
「「……ハァ、ハァ…!」」
病院内というのも忘れて、オレと真ちゃんが走る。
「ここ、か…?」
息を整えながら、真ちゃんがドアをノックする。
『どうぞ。』
中から春音さんの声が聞こえ、ドアを開けた。
「優ちゃん…」
「茶倉……」
ベットに横たわる優ちゃん。
その顔には表情がない。
ただ規則正しい呼吸音だけが伝わってくる。
昨日見たあの笑顔はどこにいってしまったのだろうか?
やっと3人で……
元の関係に戻れると喜んでくれたのに…!
この気持ちのやり場に困って、ぐっと唇を噛む。
なんで、
なんで優ちゃんばっかりに辛い思いをさせちまうんだ…?!