第61章 運命の日＊茶倉

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「んん…」

「起きたか。」

知らない人の声に目を開ける。

映るのは真っ白な天井。
そして、


「貴方誰っ？！」


見知らぬ人の顔が映って、飛び起きる。


「いきなり起きるなよ。倒れたばっかで危ないだろ。」

やんわりと私を寝かせ直す。
私は素直に従うしかなかった。

「……っ！」

急に頭が痛み出す。
まだ記憶が混乱しているみたいだ。

「今、医者を呼ぶ。」

その人は病室から出て行った。




見送りながら考える。








記憶は戻ったはずなのに。


モヤがかかったように…

思い出すのを妨げられる。


まるで思い出してはいけないと警告するように。