第61章 運命の日*茶倉
「待って!まだ聞きたいことが…!」
「それは全てわかるだろう。…妾は優の中で生き続ける。このように言葉を交わすとこは叶わないが、これからはずっと一緒だ。」
刹那、突風が吹く。
思わず目をつぶってしまう。
「じゃあの、優…」
うっすら開けた目で見えたのは、
桜花の満面の笑みだった。
(桜花…!)
強い風が桜の花弁を運び、暖かさにつつまれる。
風がやみ、再び目を開けた時には桜花も桜の木も消えていた。
(…これからは、ずっと一緒。)
涙は不思議と止まっていた。
さっきまででは考えられないくらい、穏やかな気持ち。
桜花が私の中にいるのを感じる気がした。
(強く、なるよ…)
誓うように、手を腕の前で組む。
ゆっくり、目を閉じた。
《番外編 SS If へ》