第61章 運命の日*茶倉
「記憶が戻りつつあるのだろ。」
「うん…」
「それは妾がお前と一つになることを意味している。そして、本当のお前…茶倉優になるのだ。」
「私に…?」
桜花は?桜花は、どうなるの…?
不安が広がる。
「…妾はもう用済みじゃ。このままいなくなるだろう。」
「っ!?」
嘘、でしょ…?
「なんで……っ!なんで、そんなこと言うの?!私はまだまだ弱いよっ!だから行かないでっ!」
熱いものが目から流れた。
「お前は最近、泣いてばかりじゃな。」
「そうだよ…!だから桜花!まだ私の側にいて…!」
ボロボロと涙が零れる。
「だが、その涙は優を強くする。」
「っ!……なに言ってるの。そんなんじゃ、ない…」
行っちゃう…桜花が…
これからなのに……
やっと思い出せたのに……!