第61章 運命の日*茶倉
光の中には、大きな美しい桜の木があった。
そしてその下には…
「桜花っ!」
根元で寂しげに佇んでいた桜花に飛びつく。そしてギュッと抱きしめた。
「…っ!優?!」
驚いたのか目を丸くしている。
まだ意識は共有出来てないのかな?
「桜花、ごめんなさい…!思い出したの…貴女のこと…!」
「な…それは本当か…?」
信じられないといった様子でこちらを見つめる。
「本当だよ。…いっつも桜花に守られていたんだよね。」
「ああ、そうじゃったな………だが。」
嬉しそうな寂しそうなどっちともとれない笑顔を浮かべる。
「?」
「お前は妾がいない間に強くなった。…もう守る必要は無さそうだ。」
ザザッと音をたてて、桜の花びらが散る。
儚げな微笑みに胸がざわめく。
……凄く嫌な予感。