第61章 運命の日*茶倉
と意気込んでみたものの、
「どうしよ…」
当てがない。
今まで逃げてきた分、やれることは沢山あるのだが。
小学校時代の友達に聞く?
アルバムを見る?
部活後のため残された時間は限られている。
(迷ってる場合じゃない、か。)
ひとつ、ある場所が頭をよぎる。
今日でなければいけないような、そんな気がした。
(前に、進むの…!)
心には強い気持ちがあるのに、足はなかなか言うことを聞かない。
周りは私を気にとめず、ぐんぐんと進んでいく。
普通に歩けることを羨ましいと思ったのは初めてだった。
それだけ不安も大きいということだろう。
(それでもっ…!)
私は一歩、踏み出した。
他の人から見たら、なんの意味もない一歩かもしれない。
でも私にとっては、大きな一歩。