第61章 運命の日*茶倉
ー用事があるから。
そう言って、私は2人から離れた。
以前だったら、これは逃げの言葉かもしれない。
台詞的にはそう聞こえなくもない。
でも違う。
これは2人を信じて。
また3人でいられると信じて。
そして。
自分の失われた過去を取り戻すため。
それが偶然か運命かは知らない。
この際どちらでもいい。
四年前の今日。
私は記憶を、全てを失った。
そして新たな私になった。
失われたものに何があるかはわからない。
でも初めて、
初めて知りたいと思ったんだ。
…素直に自分に従おうって気持ちになれた。