第60章 今の気持ち＊緑間

「優ちゃんはそれでいいのか…？」

沈黙を破ったのは高尾だった。


「…？どういうこと？」

「オレも、真ちゃんも……優ちゃんに酷いことしちまっただろ…！それで、また３人でなんて……優ちゃんはオレたちを許してくれねぇって……」

「えっ？許すも何も、酷いことなんてなかったよ…？」

「「えっ！？」」
　

先ほどから茶倉の発言に驚かされてばかりだ。

「…でも無理矢理キスをしてしまったのだよ…！」

「ん～？あの時は私がはっきりしなかったのが悪かったし、自業自得だったし……なにより『酷いこと』ではないでしょ？」

「「…っ！」」

クスッと笑った茶倉にドキリとさせられる。
それは高尾も同じのようだ。

…茶倉はいつからこんなに艶っぽく笑うようになったのだ。


「ってことで…前みたいに仲のいい友達に戻りませんか？」

友達という言葉に少しひっかかったが…


「もちろん！」
「ああ。」

俺達は頷いた。




茶倉が離れていくより…

今は友達として近くにいたい。