第58章 風邪。*茶倉
「はい。」
紅茶を注いで、ソファの側のローテーブルに置く。
私もソファに…真くんの隣に座った。
「ありがとう。体調は大丈夫か?」
「うん、もう大丈夫。」
心配させまいと軽く笑う。
「真くんこそ、大丈夫?」
「ああ、問題ないのだよ。」
私の心を知ってか知らずか、そう答えられた。
でも、和くんの様子を見る限り大丈夫じゃないと思う。
そしてその後、そのことが証明された。
「ん…?このペン…!」
1本のペンを拾い上げる。
(え、このペンって和くんの…!)
真くんもそれに気がついたようだった。
「高尾もここに来たのか…!?」
空気が凍ったのを感じた。