第50章 心は影に押されて…*茶倉
テツくんは他の男の子より小さくても、私と比べればとても大きい。
私の体はすっぽりとテツくんの腕に収まった。
「…好きです。中学の時から。」
「っ!」
突然の告白に息をのむ。
私はどうすればいいの?
考えるよりも早く、テツくんが言葉を紡いだ。
「でも、わかってます。…茶倉さんがボクを見ていないことを。」
「!?」
自分でもわからないのに…なんでわかるの……
私の疑問をよそにテツくんは話し続けた。
「茶倉さんにとって特別なのは、2人…緑間くんと高尾くんですね。……………茶倉さんが好きな人というのはそのどちらか………」
絞り出すような苦しい声。
「そう、なのかな……?」
そう言われて私は衝撃を受けた。
(私は真くんと和くんのこと…?)
「ごめんなさい…テツくん……」
その場にもう居たくなかった。
1人で考えたかった。
……好きって何なんだろう。
そんなこと初めて考えた。
テツくんに言われなければ考えるはずもなかった。
……………私は誰かが好きなのかな?