第36章 試合開始*緑間
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ピィー!
始まりの音。
茶倉の言葉を思い出す。
『きっと誠凛は速攻で一本取ろうとしてくるはずです。そこを止めて、流れをうちに引き込みます。』
全くその通りだった。
黒子のパスを受けた火神がダンクしようとする。
ダンクなど猿でも出来るのだよ。
ジャンプして、ボールをはたき落とした。
「ふん。全く心外なのだよ。その程度で出し抜いたつもりか?」
その程度では俺たちの脅威ではないのだよ。
後、注意すべきは黒子のミスディレクションだが…
それは高尾がどうにかするだろう。
高尾が試合前に言っていた。
『あいつもオレと同じタイプなんだよな。…なんて言うの同族嫌悪って奴?』
高尾がそう言っているなら信じる。
実際、高尾のパスが綺麗に通りそのまま俺はシュートする。
…シュパンッ!
吸い込まれるようにネットをくぐる。
俺たちが負けることなど有り得ないのだよ。