第36章 試合開始*緑間
「誠凛が勝ったね…!」
隣のコートの試合を見て茶倉が目を細めている。
その瞳は心底楽しそうだった。
「真ちゃんも嬉しいんだろ?」
高尾がこっちをにやにやしながら見てくる。
「別に。誰が相手でも勝つだけだ。」
「とか言っちゃって~!嬉しいくせに!」
俺はギロリと高尾を睨んだ。
「そんな目で見るなよ!」
ケラケラと笑い出す高尾。
「うっとおしいのだよ。」
笑う高尾と睨む俺。
対極的な俺たちの間にはいるのはやはり茶倉だ。
「まあまあ、全力を尽くそう!」
「ああ。」
「もちろん☆」