第30章 明かされる過去~後編~*茶倉
「わらわの名は桜花。お主らには優も知らない過去を伝えておく。」
「おう、か…?って優ちゃんじゃないのか!?」
「ああ、確かに優とは身を共にしておるが…意識は違う。…今はな。」
「今はというと、昔は同じだったのか?」
鋭いのぉ。
「そうだ。意志は今も昔も違うが…意識は共有していた。それに…優もわらわの存在を知っていたしな。」
小さい頃から共にいた。
優との思い出が蘇る。
ぎゅっと胸が痛んだ。
「ってことは、あの事故で…」
「…事故で優はわらわのことを忘れた。親や友達は他の身も持つから、思い出しはできなくともそやつらを知ることは出来た。だかわらわは身を共有しておるのでな…」
「茶倉は知ることができないというわけだな。」
「…そうじゃの。」
(思い出してほしい。)
忘れられるというのは…結構辛いものじゃぞ…