第30章 明かされる過去~後編~*茶倉
目が覚める。
(またか…)
最近の優は不安定じゃな。
(それでこの状況は…?)
なぜわらわはこの2人に抱きしめられておるのだ?
…そうか、こやつらが優をたぶらかしておるのだな!?
「離れるのだ!わらわに触れるでないっ!」
2人は突然の声に体を離す。
「うおっ!?」
「いつの間に変わったのだよ?」
「優に手を出しておいて…なんじゃその態度はっ!高尾!メ…」
「緑間真太郎なのだよ。」
む…!わらわの言葉を遮るとは…!
「ふん、緑間っ!それで何をしていたのだ!?」
「なにって…」
「茶倉の過去を聞いていただけなのだよ。」
「!…過去だと!」
優が…話したというのか…?
信じられん。
「ああ、オレたちは特別なんだとよ☆な、真ちゃん♪」
特別だと…こやつらがか?
「記憶喪失だった…そう聞いたのだよ。」
知っておるのか…
確かに優がこやつらに何らかの思いがあるのは感じていたが…
(こやつらに託してみるか…!)
大きく息をはき、奴らの目を見据えた。
「では、わらわの話も聞くがよい。」