第29章 明かされる過去~前編~*茶倉
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~小六 春~
だんだんと暑くなっていく今日この頃。
学校の帰り道で、
いつものように歩いていた。
カサカサッ!
突然音が聞こえ、私はそちらを見る。
「ニャー」
「あっ!猫ちゃん。おいでー!」
私が近づくと、猫はちょこちょこと逃げる。
ある程度の距離を取ると猫は振り返りこちらを見た。
…まるで追いかけてきてほしいみたいに。
(今日はなにもないし…)
その間に猫はどこかへ歩き出す。
「あ、待って猫ちゃん!」
私は引き寄せられるように猫を追った。