第29章 明かされる過去~前編~*茶倉
「えと、まずは私の力についてからかな?」
「力というと…映像記憶のことか?」
「うん。」
この力というとのことは自分でもあんまりわからないんだよね…
「全てのことを覚えている…そんな能力。でも私が覚えてるのって中学より後のことだけなんだ。」
「?…つまり力は中学に入ってから目覚めたのか?」
「うーん、ちょっと違うかな…あの日突然現れたんだよね。」
そう。あの日…
私の向き合いたくない過去。
「…そして、私はそれ以前の記憶がないの。」
「…!」
「…!?」
「つまりね、
…私は記憶喪失。」
私今どんな顔してるのかな?
今までは辛かったのに、なんかすがすがしい。
「あの日って…なにがあったんだよ!?」
すぅっと息を吸う。
「あれは…四年前の今頃……」