第23章 事故。*緑間
「と、とりあえず!さっきのは事故だから!真くん忘れて!…私なんかとキスしたって…いや、だろうし…」
目は合わないが、何だか悲しそうな感じがした。
…お前は今、なにを思ってるのだ?
「…ではないのだよ。」
「えっ?」
顔を上げた茶倉と目があって、今度ははっきり言った。
「いやではないのだよ。」
俺は茶倉へと歩み寄った。
「真、くん…?」
赤く染まった茶倉の頬を手で包む。
「えっ…!?」
自分でも何をしているかわからない。
でもあのことを事故で終わらせてしまいたくなかった。
俺はゆっくりと顔を近づけて…
なるべく優しく、キスをした。