第23章 事故。*緑間
「し、真くん!?」
茶倉は驚いた表情を浮かべていた。
頬は先程よりも赤かった。
(まあ、無理もないだろう。)
俺にだって予想できなかったのだから。
「…戻るぞ。」
「え…うん…」
教室を出ようとしたときに静かに呟いた。
「さっきのは事故なんかではないのだよ。…本気だ。」
大きな声ではなかったが、
文化祭中にもかかわらず静かなこの教室では
茶倉の耳にも届いただろう。
気恥ずかしくて茶倉の方を向けないが、茶倉は俺についてきているようだった。
なんとなく、でもはっきりと茶倉がいることを感じる。
茶倉。
…お前は今、なにを考えているのだ?