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アイナナ~当たり前すぎる日常〜

第5章 夫婦漫才とハロウィン〔百〕




「ユキ!それオレに送って!」

「今送ったよ」

「ついでに弥澪にも送って!」

「分かった分かった」

「んん……?」



騒ぎ立てたのが原因か、弥澪が目を覚ましてしまった。

少し寝ぼけた様子でオレを見上げ、僅かに首を傾げた。
そして腕を上げて伸びると再び落ちかけた帽子を抑えながら苦笑した。



「私、寝ちゃったんだね。せっかく驚かそうと思ったのに」

「オレとユキ、お菓子なんて持ってないよ?」

「それなら悪戯しちゃうから全然オッケー!」

「顔に落書きはやめてね」



全然オッケーじゃない回答にユキが極めて冷静に答えた。



「ユキ、どうして分かった!?」

「ただの勘だよ」

「ユキ恐ろしい!エスパー!」

「エ、エスパー?」

「モモはアイドル!どんなアイドル?スーパー!」



スーパーアイドルってなんかカッコイイじゃん!



「床掃除に!クイックル?」

「ワイパー!」

「モモナイス!」

「またやってますね。お笑い芸人のほうが向いているんじゃないんですか?」



マネージャーが部屋を覗き込みながらそう言った。
すると煉華は首を激しく首を横に振った。



「私はテレビに出るのは嫌ですからね!?」

「の割に、この前百くんのドッキリ番組ノリノリで収録してたじゃないですか」

「あれはモモに頼まれて仕方なかったんです!すごく恥ずかしかったんですよ!?」

「でも弥澪って演技上手いから女優にでもなれそうな気がする!あ、恋人役は無しだよ?オレとなら全然いいけど!」

「だからやだってば」

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