第4章 Happy Birthday 11/11〔百〕
「『今何してる?ユキにメール送ったんだけど全然返事が返ってこなくてさ』……え、千くん、今日携帯は?」
「さっきからバッグの中に入れっぱなしだけど?」
「百くんがメール送ってるみたいだよ?」
そう言うと千くんはバッグの中を漁り、携帯を覗き込んだ。
「弥澪、君からのメールにモモが不思議がって僕に聞いてきたんだけど、どうやって誤魔化しておく?」
「とりあえず最近は忙しかったから休みを作ったとだけ伝えておいて。まぁ、百くんのことだからなんとなく察しはついてると思うんだけど」
私が答えると今度は壮五くんが携帯を取り出した。
そして慌てて立ち上がると荷物をまとめ始めた。
「すみません!スタジオで環くんがやらかしたみたいなので向かわないと!」
「え、あ、うん……いってらっしゃい……」
突然のことに楽くんがぽかんとしたように視線を向け、私はまともに返事ができなかった。
千くんが百くんにメールを返している間にも、壮五くんはバタバタと部屋を出ていく。
残された私と楽くんは千くんが再び席に着くと顔を見合わせあってため息をついた。
「おい、これなんか意味あんのか?」
「さぁ……IDOLISH7の誰かが帰ってきてくれればいいんだけど……」
とはいうものの、先ほど一織くんから聞いた話では、大和くんはドラマの撮影、環くんとナギくんはバラエティ番組の撮影、陸くんは病院で検査の日らしい。
今日当分戻ってこないだろうと言われている。
と、いうことは。
「俺たち三人でやれってか」
「うーん……」