第4章 Happy Birthday 11/11〔百〕
「だってせっかくのパーティだからね。賑やかな方がモモも喜ぶと思って」
もう私の役目なんて必要なのだろうか。
千くんが企画すれば百くんはなんだって喜びそうな気もするし、そもそもIDOLISH7とTRIGGERを呼んでいる時点ですでに十分すぎるサプライズなのでは。
「僕の考えたのはみんなに一発芸してもらうとかぐらいでさ」
「セオリーだね。IDOLISH7の誰かさんがすっごく面白がりそう」
「あとは王様ゲームとか」
「それどこの合コン!?もう普通で良いよ普通で!」
「その普通がモモに通用するかどうか……」
「通用する!通用するからこれ以上ボケをかまさないで!」
「僕はこれを恥だなんて思わないから気にしなくていいよ」
「いやいや、お願いだから気にして。あなたも一応アイドルなんだから」
そういうと千くんは冗談だよと言って笑った。
冗談で笑ったはずなんだろうけど、どうにも彼の冗談は冗談に聞こえなくて、王様ゲームについて討論しているうちに、その日はあっという間に過ぎてしまった。
そしてその日の夜、千くんからこんなメールが届いた。
『明日IDOLISH7の一織くん、三月くん、壮五くん、TRIGGERの楽くんとパーティの計画を立てることになったから、君も参加してくれると助かるよ。場所はIDOLISH7の寮だからよろしく』
(本当に仕事が早いよ、千くん……)
メールを前に額を抑えて唸るものの、私は慌ててスケジュール帳を開き、明日の予定を確認するのだった。