第4章 Happy Birthday 11/11〔百〕
〜2日前(11/9)〜
千くんに百くんの誕生日パーティの相談を持ちかけられたのは、彼の誕生日の二日前のことだった。
あまりに突然すぎて、私はどうしてもっと早く相談してくれなかったのかと、つい千くんを責めてしまった。
「だって弥澪、ここ最近忙しくてそんな暇なさそうだったからさ。一応僕の方でも色々と考えてはいたんだけど、なんせモモが相手だからね。驚くような仕掛けをしないとって思って」
「普通でいいのよ、普通で」
「全員でモモのお面かぶるとか」
「いやそれ驚くことには驚くだろうけど、多分百くん固まるよ、色んな意味で。……千くんって時々百くんみたいなこと言うよね」
「これでも一応モモのパートナーだからね」
千くんは当たり前だと笑った。
Re:valeの百くん千くんはとっても仲良しというイメージを持たれている。
実際二人は仲が良く、百くんのボケと千くんの正確なツッコミがファンを楽しませる。
それがステージでも、スタジオでも、楽屋でも。
「それなら私が考えるより、千くんのアイデアを採用したほうが良いと思うんだけど」
「それで困っているから相談しているんじゃないか。僕だってモモのことを全部知っているわけじゃないんだし、一人で考えるのも結構疲れるんだよ」
「相談に乗ってあげられないこともないけど、私なんかで役に立てるの?」
「なんなら、他のアイドルたちにも相談する?一応IDOLISH7とTRIGGERに声はかけてあるんだけど」
「……千くん、私より仕事早くない?」