第3章 家族〔陸&天〕
「ん……」
目が覚めて初めに見えたのは白い天井だった。
小さい頃よく見たことのある、あまりいい思い出ではない天井。
それが病院のものだと分かるのにそうそう時間は必要なかった。
「弥澪さん、大丈夫ですか!?」
心配そうに私を覗き込んできたのは紡先輩だった。
その後ろには大和さんと、紡先輩同様の表情をした壮五さんが立っている。
「……陸は?」
「陸さんなら別室にいます。怪我はほとんどしていなかったんですが、気絶してしまったので……」
「じゃあ……陸は無事なんですね……?」
「はい。どこも問題ありません」
「良かった……」
安堵してゆっくりと起き上がると左頭部が痛みを伴った。
紡先輩に慌てて止められ寝ているように言われたけれど、大したことはないのでそのまま話を聞いていた。
そもそもあの照明はスタジオを設置した側に問題があったのだという。
止めていた金具の大きさが合っておらず、固定されることなく緩んでいたらしい。
その照明を取り付けたスタッフがあとで詫びに来るらしく、しばらくはこのまま入院だということも聞かされた。
そのあと紡先輩たちは他のメンバーの仕事の件で帰宅することとなった。
その帰り際、最後に部屋を出る大和さんが私に尋ねてきた。