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アイナナ~当たり前すぎる日常〜

第1章 ★とりっくおあとりーと〔一織〕



「陸くん、それくらいにしておいたら?」

「だって一織が……!」

「大人気ないですよ。七瀬さん」

「さっき子供だって言ったじゃないかー!」



もはや手がつけられない……。こうなったら最後の手段しか……。



「一織くんにお仕事の依頼が入っていたの思い出した!打ち合わせしよう!」

「分かりました」



おぉ……冷静すぎる対応。

彼と陸くんの喧嘩を止めるにはどちらかを引き離すしか方法がない。だから大体どっちかを呼び出すことが多い。

今回はちょうど仕事の話があったから良かったけれど、特に用事がないときは正直キツイ。

前に一織くんに『一緒に買い物に行こう』と誘った時は凄い貶された記憶がある。『暇なんですか?』と。
そりゃあ仕事は結構あるけど、仲間割れを止める以上に大事なことはないと思う。



「ばーかばーか!」

「り、陸くん、それ言いすぎ……」



部屋に姿を消した一織くんに陸くんがなおも嫌味を言いつづけていたのだけは、どうしようもなかったんだけれど。





















「Trick or Treat!!」



陸くんの掛け声で始まったハロウィンイベント。
今回の企画はTRIGGERも共同で行っているため、九条さんたち三人も一緒に会場を盛り上げてくれた。



「Trick or Treat!!」



会場に集まったファンたちもみんなお菓子を持って盛り上がってくれている。
十人が会場内をぐるりと一周してお菓子を貰い、一番多く貰えた人が優勝という、なんとも単純なゲームを組み入れているのだが、その中で一人だけものすごく困っている人がいた。



「みんなスゲー仮装だな」

「こうしてみると壮観だね」



ファンの仮装に圧倒される八乙女さんと十さん。



「というかなんで僕が魔女の格好させられているんですか」

「ミツキに断られたからデース!」

「意地でも着たくなかったからな!」



魔女の格好をさせられている壮五さんと喜ぶナギさん。そしてそれにツッコむ三月さん。



「王様プリン持ってる奴いねーのかな」



と、独り言を呟く環くん。



「天にぃには負けないから!」

「ボクだって負けないよ、陸」



仲良く勝負を挑む陸くんと九条さん。
そして……。

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