第2章 ★愛すべきもの〔大和〕
「……?」
彼の口がわずかに何かを発した。
けれどそれはものすごく小さく聞き取ることが不可能だった。
ーーー勘弁しろって……
口の動きからしてそう言ったのだと思う。
もちろんはっきりとそうだと言えるわけではないけれども。
「大和?」
結局よく分からずに首を傾げた時だった。
「もう知らねーぞ」
「ッああぁぁっ!!」
それが勢いよく侵入してきた。
抵抗する間も無く、あっという間に私の下の口はそれを根元まで咥えこんでしまう。
「く……相変わらず狭いな……」
「や……や、まと……」
身体中に流れる痺れ。
それが収まる間を与えずして、彼はとにかく激しくそれを打ち付けてくる。
乱暴ではないかというほどにひどく荒々しい。
「あ……あッ、んあ……ッ!」
「もっと……もっと鳴けよ」
「ひあっ……や、やま……やっ……」
「なに言ってんのか全然分かんねーっての」
「だ、め……あッ、そ……なに……早く、し……たら……やっ……」
「あんたの中、すげえあったけーのな……俺、の……そんなに締めつけて、さ……」
止まることのない快感。
意識が飛びそうになるたびに、奥を突かれて我にかえる。
「おねが……ゆっくり……してっ……あっ」
「生憎……あんたの頼みを聞いてやる、余裕なんて……ねえんだよ……さっきので……やけに、理性吹っ飛ばされちまってさ……」
「な、に、それッ……あッ、やっ、だめッ……も……イキそ……んあっ!」
「くっ……」
びくっと身体が震え、私は最初の絶頂を迎えた。
大和のものが痙攣し、中で吐き出しているのが分かる。
共に荒い息を吐くと視線がバッチリと合った。
大和が笑みを浮かべたことで、すっかり彼に流されてしまっているのだと理解し、急に恥ずかしさがこみ上げてくる。
(もう……)
思わず顔を隠してしまうと、大和の息が耳にかかった。
そしてゆっくりとそれが引き抜かれ、私はそっと身を起こした。