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アイナナ~当たり前すぎる日常〜

第2章 ★愛すべきもの〔大和〕




傷口がズキズキと痛み、涙がこぼれる。

すると大和は机から絆創膏を取り出し、それを今しがた付けた傷口に貼り付けた。



「さーて、いくつ絆創膏が増えることやら」

「だ、駄目!やめて!」



叫んだ途端、今度は右手に痛みが走った。
続けて左手、左耳へと移動し、そのすべてに絆創膏が貼られる。



「んじゃ、次いきますか」



そう言った大和は私の服のボタンを外し始めた。

抵抗することのできない状況では、逃げることも拒むことも出来ず、ただ必死に懇願することしか出来ない。

露わになった体を一通り眺め、今度は少しだけ考え込み手を伸ばした。

何が来るのかと力を込めると、大和の指先がおへその上あたりに触れた。
そのまま指を滑らせるようにしてお腹のあたりをなぞる。



「くすぐったい……」

「あんた、少し太ったか?」

「なっ……!」

「嘘」

「大和!」



これで三度目。しかも数分の間に。
もうツッコむのも疲れてくる。



「いやー、お前さん本当に揶揄い甲斐があるよな」

「私が正直なだけです!ひあっ!!」



大和の指がお腹をくすぐり始めた。

手足を固定されているため身を僅かによじることしか出来ず、そのくすぐったさに耐えることしか出来ない。

そのうち指が上の方へと上がってきた。そして手が背中に回ったかと思うと、そのままホックを外されてしまう。



「んー、このまんまじゃ脱がせねーよなぁ」



そう呟いた大和は左手足の手錠を外した。
そして器用に私の服を脱がしていく。

逃げられないようにと再び左側を固定すると、今度は右側を同じように外して、完全に服を剥ぎ取ってしまった。



「やっぱ肌白いな。つーかこれなんだ?」

「!」



大和が目をつけたのは私の脇腹にできている小さな傷だった。



「前にしたときはこんなの無かったよな」

「それ……一週間ぐらい前に怪我して……」

「一体何したらこんなとこを怪我すんだよ」

「うっ……」



やっぱりこんな理由じゃ誤魔化せるわけがない。
正直に言うべきなのだろうが、言ったら多分何かされる。

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