第1章 ★とりっくおあとりーと〔一織〕
「これでもまだ気持ちいいと言えませんか」
「……ち、い」
「聞こえません。はっきりと」
「……気持ち、いい……」
言ってしまった。だめ、もう限界です。
私がその言葉を口にしたからか、一織くんは嬉しそうに微笑んだ。
あ、やっぱり笑顔可愛い。
いつもすましているけれど、本当は凄く笑顔が可愛いんだ。
「ふぁっ……」
気を良くしたのか一織くんが服をすべて剥ぎ取り、指を中にいれてきた。
まだ一度も入れたことのないそこは狭く、彼の指をきつく締め付ける。
やがて指が一箇所をなぞった時。
「あッ!」
「ここ、ですか」
一番敏感なところを集中的に責められる。
なんだろう……なにか頭がボーッとする。
「んあッ……あ、ッ!」
びくんと身体が震えた。荒い息をつくと一織くんはねっとりと濡れた指をぺろりと舐めた。
「だ、だめ。汚いからっ」
「汚くなんてありません」
うぅ、なんか悔しい。
反抗出来ないのと、気持ちいいのと、その狭間で不安定な心が揺れ動く。
それになりよりーーー。
「私だけじゃ、やだ……」
「何がですか?」
「私だけ裸なんて恥ずかしい……一織くんも脱いでよ……」
あれ、私何を言ってるんだろう。脱いで……って……。
「……うそうそ違うのこれはただ私だけじゃずるいっていうかえーとそうじゃなくて!」
「……ぷっ。あなたは可愛い人ですね」
「なに、それ」
「いいですよ。脱いであげます」
そういうなり服を脱ぎ始めた一織くん。
意外に体つきはよく、思わず顔をそらしてしまう。けれどやっぱり気になってしまい視線を戻した私の視界に映ったのは……。
「何ですか?」
「あ、えっと……」
元気に反り勃った一織くんのそれだった。
思った以上に立派なそれに顔が火照る。
「そんなにジロジロ見るなんて、弥澪さん初めてですか?」
「……うん」
……呆れられたかな?
だって今まで彼氏が出来たことなんてないし……。
「安心しました」
「……え?」
「あなたの初めてを私がもらえるんですから」
呆れていない?
それどころか安心したって……。
「出来るだけ優しくしますから……」
「んっ……」
深い深いキスをされる。