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天使祝詞【ドリフターズ】

第4章 ドレミファだいじょーぶ




手を引かれてやって来たのは大きな石造りのお屋敷。
伯爵のお屋敷に比べると質素な気もするが、天井は高く、吊るされた仰々しい灯り("しゃんでりあ"と言うらしい)が爛々と輝いている。

通された部屋で、来賓用の装飾の施された椅子に座り待っていると、次から次へと運ばれてくる、豪華な料理。

「こ、こんなご馳走、頂いても良いんですか?」

「ああ、好きなだけ食べるといい。なんて言ったっては大事なお客様だからね」

にこにこと微笑み料理を進めるしゃいろっく殿。
遠慮から私がなかなか料理に手を付けられないでいると、先に一口ぱくりと食し、うん旨いと満足気な笑み。
破格の扱いになんだか少し不安になる。

「あの……先程から言っております通り、私なんてただの小間使いで、この様な扱いに値しないと言いますか…」



「でも君は、漂流者(ドリフ)なんだろ?」

ここで、私に向けられ笑みが酷く歪んでいる事に気付いた。というか、ここへ来るまで気付かないでいた私は何とうつけなのか。


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