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【名探偵コナン】降谷さんが好きすぎて辛い【トリップ】

第1章 終わり、そして始まり


「唐突に言いますけど、私ここの世界の人間じゃないんです」

出されたお茶をズズッと飲みながらそう答える。

「ここの世界の人間じゃない…?」

携帯を開きながらも眉をひそめ、信じ難い話を聞いているような顔でこちらを見てくる。まあ確かに信じ難いわな。

「ざっくり言うと、ここの世界は私の世界では漫画やアニメになってます。私はこの世界のファンってとこです。だから貴方や貴方以外の事も詳しいし、危害を加えるつもりもない。」

我ながら淡々と話を進めている。信じ難い様子は変わらずとも、じっと話を聞いてくれるあたり私は話す相手を間違えていないと思う。

「ホォー……それは実に興味深い話だが……俺からしたらあまりにも夢物語だ。もっと確実な何か証拠はないのか?」

「……貴方しか絶対知らない事を私が知っていたら、私の事信じてくれますか?」

証拠なんてない。あったらとっくに見せてるし元の世界にも帰っているかもしれない。帰りたいわけでもないけど。
僅かでも私を信じてくれる可能性があるとすれば、私の中にあるこの人への知識のみ。

「…良いだろう。」

その言葉を聞いた私は漫画、アニメの知識をフル活用させ、その中でもこの人に伝えても大丈夫な情報のみを考えた。
コナンと協力してキールを奪還した事、妹や弟の事、組織に居た時の事、沖矢の変装について等……


話をしていくうちに赤井さんの表情は僅かだが変わっていった。
自分の事についてこうもペラペラと話せる正体不明の女。さすがに驚いたらしく、「もういい」と止められてしまった。

「確かにその情報は俺やFBI、そしてボウヤぐらいしか知らない事ばかりだ。信じられない話だが……信じるしかなさそうだ」

良かった……とりあえず、信じてくれたらしい。ホッと一安心をしてお茶をすする。

「本当にびっくりしたよ。まさかそこまで知ってるなんてね。」

「ごふっ」

いつの間に来たのか、背後から子どもの声が聞こえ、いきなりのことにお茶を吹き出す私。

「コナンくん……」

「お姉さんてばすぐ逃げちゃうんだもん!僕もしかしたら組織の人かと思っちゃった!でも、組織の人なら赤井さんの電話から僕に繋がってる事もすぐ見抜ける筈だし、拳銃向けられた相手の出すお茶なんて飲むどころか触れないからね!」


さすが江戸川様……電話で全部聞いてたって訳ね……
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