【名探偵コナン】降谷さんが好きすぎて辛い【トリップ】
第1章 終わり、そして始まり
「……ん……?」
ここはどこだ?
目を擦り薄暗い当たりを見渡しながら先ほどまでの記憶を巡らせる。
確か…………仕事帰りに夢小説の通知が来て……自転車乗ってたら車にぶつかって……
……いやまて、車にぶつかって!?
ぼーっとしていた目を見開き、自分の身体、周りの景色を再確認する。
おかしい……身体には何の痛みもない。痛みはあったはずだ、私は覚えている。
自転車も無い……
……場所も特に見覚えがない住宅街だ。
おいおい大丈夫か私……今まで長い夢でも見てたのか?こんな道路の真ん中で?
とりあえず持ち物を確認しよう。
リュックは背負ってる。仕事道具だって財布だってある。取られたりはしていないようだ。
後は携帯……とポケットに手を入れ、持っていた携帯を開く。
すると日付も時間も車に引かれる前の記憶と同じで、圏外と言うわけでもない。しかし……
「え、なんで……」
大切な画像フォルダやブックマークが消えている。赤安が!降谷さんが!無い!!!なんでや!!!
まさかなんらかの衝撃が本当はあって、データが破損しているのか?
LINEも友達が1人もいない……これでは買い換えたばかりの新しい携帯のようだ。
「……まさか……」
今までの行動を思い返すと、ある事に似ている事に気がついた。
「トリップ………………」
そう、昨日読んでいたトリップ夢小説にそっくりなのだ。
車に引かれて、気がついたら見知らぬ土地に1人……
って事は、これアレだな。私が大好きな名探偵コナンのトリップだな。そうだな?そうであってくれ!!
しかしどうすれば確認が出来る?コナンがタイミング良く現れるか?神からのメールでも来るのか??それなら早くしてください。もう夕方なんですよ!!
そう思って若干そわそわしながら辺りを見ても携帯を確認しても何も変化は無い。
…………え?本当に何も来ないんだけど。
そろそろ普通来るんじゃないの??
なんてことだ。私のトリップした名探偵コナンの世界では何の連絡も無いみたいだ。理不尽。
でも持ち物があって携帯も使えるなら好都合。Goog○eMAP使えば場所は特定出来る。
「米花町…」
やはり名探偵コナンの世界の様だ。
探偵事務所とかなら特定出来るだろうし、そこが特定出来れば近くに阿笠博士の家や新一くんの家もあるはずだ。
とりあえずそこへ向かおう…