【名探偵コナン】降谷さんが好きすぎて辛い【トリップ】
第3章 ポアロ
「あの、私一応25歳なんですけど……」
爆笑しているコナンをじろりと睨みつつ伝えると、梓は一瞬キョトンとしてからハッと我に帰った。
「ええっ、私より年上……!?す、すみません!」
「良かったね、姉ちゃん!女子高生に見えるんだって…フッ」
「…コナンくんの言い方は悪意しか感じないよ?」
ペコペコと謝る梓に焦りながらコナンに怒る。そうやって騒がしく話している中、奥から戻ってきたであろう安室が店長に話しかけた。
「戻りました。…なんだか賑やかですね?」
「はは、ちゃんは中々面白いね。……そうだ、安室くん。頼み事をしてもいいかな」
微笑ましそうに達のやり取りを見ながら安室に問いかける店長。
「なんでしょう」
安室はテーブルの机を拭きに向かいながら答えた。
「これからちょっと用事があってね…店閉め頼める?」
「大丈夫ですよ」
「流石安室くん、ありがとう。……今日は客が少ないだろうし、ちゃんも一緒に最後まで教えてあげて」
「え」
「へっ!?」
テーブルを拭く手を一瞬止め、店長を見る安室。そしてもその言葉にピタリと固まり反応する。
「ま、待っててください店長!私なんかが居たら安室さんからしたらお荷物じゃないですか!?忙しいのであれば別日でも……」
「いや、今からやってくれるという意志も嬉しいし、働くのであれば早い方が良いんじゃないかな」
「僕は構いませんが……」
えええええまじでか!!!!!
ぶわっと赤面し始める。
梓はその様子を見て察し、「なるほど……頑張って下さいね♡」なんて小声で言ってくる。
いやもうやめて!!!なんか恥ずかしい!!高校生でもないのに浮かれるから!!!
「えーじゃあ僕お客さん役やろうk……「コナンくん、君はそろそろ帰る時間じゃないかな?送って行くよ」
ぶすっとした顔のコナンが話すのを遮り、ささっと身支度を整えたかと思うと何故か私に向かって親指を立てる店長。
そしてにやにやした梓さんも連れて、3人は帰ってしまった。
一気に静かになり、つかの間の沈黙。
「…とりあえず、僕のエプロン貸すので付けてください。仕事教えますね」
爽やかな笑顔で私に差し出す安室さん。
私は緊張しながらそのエプロンを付けるのだった。