【名探偵コナン】降谷さんが好きすぎて辛い【トリップ】
第2章 異世界での暮らし
「……僕と以前お会いしましたっけ?」
名乗る前に名前を伝えた為、彼は笑顔のままだが一瞬張り詰める空気。だがそこは心強い味方がフォローに入る。
「僕が来る前に紹介したんだ!」
「コナンくんが?…そう。」
コナンが言うのであれば安室も警戒はしないだろう。
コイツ早速バラしちまうんじゃないか?と不安な顔でを見てみるとー
ポロ……
「「!?」」
「あむろ……さん……本物……」
なんということか、の目はみるみるうちに涙で溢れていた。
オイオイ!早速すげー印象に自分からしちまってるけど!?
「え、なんで私泣いて……」
突然の事に自分でも驚きながら、指で涙を拭き取り、コナンくんをチラッと見ると焦った顔で私の事を見てくる。
私だって泣くつもりなんてなかった。でもそれ程までに私は……この人が大好きなんだと再確認した。
ずっとずっと大好きな人。貴方は私の事何一つ知らないけど……私は貴方の大好きな所を沢山知ってるの。
言いたくてたまらない。でも言えない。
恥ずかしい、きっと安室さんに変な女だって思われてる…
色んな思いが交差して、止まるところの無い涙。するとー
スッと私の頬をつたうハンカチ。
「…………あの……安室さん……?」
安室さんが少し困った様な、でも真剣な眼差しで私の涙を拭いてくれていた。
突然の出来事に嬉しさと恥ずかしさが頂点になり、涙は止まったが動きも止まった私を見て安室さんはハッとした様子で、
「……何故泣いてしまったのかは分かりませんが……女性は笑顔の方が似合いますよ」
と言ってハンカチを渡してきた。
「あ、ありがとうございます……明日必ず返します……」
「気にしなくていいですよ」と笑顔を見せる私の目の前にいる人は完璧な〝安室透〟
どこまで本心なのかは分からない。きっと私は怪しまれてる、と思う。
でも……それでも関われた事がこんなにも嬉しい。本当に私って単純……
「安室さーん!ちょっと買い出し頼んでいいー?」
「あ、はい!それでは、ごゆっくり」
梓さんに厨房から呼ばれ、颯爽と去っていく安室さん。
やっぱりかっこいい…
サンドイッチを食べながら機嫌も直り、ふと先程までの安室の行動を見返してはにやつくを見て、安心した様にため息をつくコナンだった。