【名探偵コナン】降谷さんが好きすぎて辛い【トリップ】
第2章 異世界での暮らし
その後も色々と聞かれて調べられたが、私に関する情報はどう探っても出てこない様子だった。
「…この保険証はこちらでは使えない事だし、ちょっと借りていてもいいかしら?」
「どうぞ。」
保険証を手渡すと、FBI達も何やら用意をし始めた。
「彼女が敵で無いことは分かったが、身元不明なのも変わらない。身分証明はこちらでなんとかしてみよう。その間君は赤井君に匿ってもらうんだろう?それなら、遠い親戚とでもしておいた方が動きやすいのではないかね。君も、赤井君も。」
帰り支度をしながらジェイムズがそう告げると、少し考えた後赤井も頷いてこちらを見た。
「それなら、沖矢さんの親戚のが周りから変に見られないよね!引っ越してきて居候してる、とかでいいんじゃない?」
「私が沖矢さんの親戚……まあ匿ってもらう以上、ボロが出て怪しまれないように動けって事ですね」
そう、ここは名探偵コナンの世界なんだ。
浮かれてばっかいられない世界でもあるんだ……
私の言葉を聞いて頷くジェイムズ。
「その通りだ。トリップの事もむやみに話さん方が身の為……君も知っている様だが、組織はどう動いているのか分からんからな。君みたいな怪しい女が居ることを知ったらすぐに命を狙われるだろう」
充分に気をつけたまえ。そう私に伝えると、仕事があるのだろうか、急いで工藤家を後にして車で出てしまった。
そして残された私、赤井さん、コナンくん。
話し合いが終わったからか、赤井さんは洗面所へ向かった。きっと変装するんだろうな……
そんな赤井さんを目で見送り、ソファーにボスンと座る。
そしてFBIの皆と話していて改めて自分の立場の危なさを実感してみる。それと同時に元の世界の事も少し思い出す。
……皆、大丈夫かな……?私はいったいいつからあの世界から消えたんだろうか。どのように?今はどうなってる?分からない事を推測したらキリがない。
「……おい、大丈夫かよ」
うーーん、と考えこむ私を見て心配になったのか、いつの間にか隣に座ってこちらをのぞき込むコナンくん。
「…なんか改めて凄い所来ちゃったなーって実感すると色々不安になってさ……」
そう伝えると、考えた様子のコナン。
しかしハッと何かを考えついたかと思うと、にやついた顔で「なら俺が楽しい所連れてってやる」といきなり私の手を引き家を出たのだった。