第1章 〜別れの始まり〜
今の今までそれでもまだ大丈夫だと思ってた気持ちが
一気に壊れた。
あたしと潤との6年間が全部ウソになった気がして
体が震えた。
手の中で大事に大事に
こぼれないようにしてきた
潤との思い出が
サラサラとこぼれ落ちていく。
もともとあたしに選択の余地はなくて。
これはもう決定事項なんだよね。
心変わりを責めるつもりなんか
全然ないけど。
どうして他人の口から聞かなきゃいけないんだろう。
神崎さん、知ってますか?
この部屋であたしは潤と
たくさん笑い合ったんです。
数え切れない程のキスをして
数え切れない程
愛し合ったんです。
ねぇ潤。
あたしを愛していましたか?