第1章 〜別れの始まり〜
潤の気持ちが離れている事は気付いてた。
メールの返信が遅くなって。
電話の回数が減って。
潤がこの部屋に来たのは
もう何ヶ月前だろう。
そして何より
あたしの前で心から笑わなくなってた。
いくら鈍感なあたしでも気付いてたよ?
それでもこのまま気付かないフリをしてたら
もしかしたらって。
まだ大丈夫なんじゃないかって。
呆然とするあたしに
神崎さんはほんの少し気遣う様な目で言った。
「非があるのは松本です。それは十分に分かっています。
あなたときちんとする前に別の女性と関係した事。
あなたに非は全くありません。」
「・・・・・・。」
「ただのお友達ということで週刊誌側を押し切ろうとも
思いましたが・・・・・。」
めずらしく神崎さんが言い淀んだ。
「・・・何かあったんですか・・?」
「・・・・お相手の方は妊娠されています。」