第6章 〜神崎さん〜
「神崎さん。」
「はい。」
「潤は・・・元気ですか・・・?」
もう口にすることはないと思っていた
彼の名前
「元気ですよ。
相変わらず・・・忙しくさせてもらっています。」
「毎日笑ってますか・・・?」
「はい・・・。」
「幸せ・・・そうですか・・・?」
「わたしにはそう見えます。」
神崎さんが言うならきっと本当なんだろう
この人はきっとウソはつかない
「なら良かったです。」
あたしはぬるくなったカフェオレを一口飲んで
フッと小さく息を吐く
「神崎さん。」
「はい。」
「少し・・聞いてもらっても良いですか・・・?」
「私でよろしければ。」
誰にも言えなかったあたしの想い
吹っ切る為には
あたしの中から吐き出すしかないと思った
ひとりじゃもうどうしようも出来ないから
ただ聞いていてくれるだけで良かった