第5章 〜私×潤〜
逃げる様に部屋を出ると
廊下の壁に座り込んで心配そうにしてる翔くんが居た
翔くんの顔を見たらますます泣きそうになって
目だけで『大丈夫だよ』と頷いて
そのままエレベーターへ向かった
追いかけてきて欲しくなかったし、
きっと翔くんもそれを分かってる
1階まで降りてトイレに駆け込むと
抑えてた涙が積を切ったように溢れてきた
『ああ、終わったんだ』と思ったら
ホッとして
それでいて急に怖くなって
しばらくそこから動けなかった
大丈夫だったかな
あたし
ちゃんと笑えてたかな
潤が見た最後のあたしは
ちゃんと笑顔で居られたかな
潤
大好きだったよ