第5章 〜私×潤〜
「言い訳にしか聞こえないかもしれないけど・・・
俺愛利のこと嫌いになったわけじゃないし」
「潤」
苦しそうに言葉を続けようとする潤にあたしは呼びかけた
「大丈夫。ちゃんと分かってるよ、潤」
「ずっと・・・話せなくてごめん・・・。」
もうこれ以上
潤を苦しめたくなかった
「あんまり長く居ると神埼さんにみつかっちゃいそうだし
そろそろ行くね。」
そう言ってあたしは立ち上がると
そのまま潤の座ってる目の前に膝をつき
何かに耐えるようにギュッと組む潤の両手を
自分の両手で包み込む
「最後だからちゃんと言うね。」
潤の顔を見上げながら
あたしは最後の言葉を口にする