第4章 〜潤×翔〜
「俺、サイテーだ・・・。」
潤くんが飲みかけのビールを見つめながら呟く様に言う
「うん、サイテーだよ。」
「・・・・・・。」
「俺さ、今のあの子より愛利との方が付き合い長いし正直すげぇ好きだし。あぁ友達としてね。だからこういう仕打ちはちょっと許せない。」
「ごめん・・・。」
謝りながら潤くんはますます俯く
「潤くん。」
「うん・・・。」
「潤くんはどうしたい?」
多分、潤くんは今環境とか立場に押さえ付けられて
ちゃんと呼吸が出来ないんだ
潤くん
分かってる?
息をしないと人は死んでしまうんだよ?
「・・・自分が最低なのは分かってる。」
潤くんがポツリポツリと話し出す
「愛利を・・・傷付けたかった訳じゃないし、こんな終わりを望んでた訳じゃないんだ・・・。」
「分かってるよ。でも」
俺は潤くんを追い詰める様に強く言った
「愛利は傷付いてる。」
何も言わない潤くんに苛立って
俺はますます意地悪になる
「6年も付き合った男に実は他に女が居て、しかも子供が出来て結婚しますなんてありえないよ。
しかもそれを他人の口から聞かせられるなんて・・・・・・
俺なら気が狂うね。」
潤くん。
俺がしてやれる事は
潤くんはちゃんと呼吸が出来るって
教えてあげる事だけなんだ
頼むよ、潤くん。
このままじゃ潤くんも愛利も
前になんか進めない