第2章 〜翔〜
「潤、ちょっといいか?」
「・・・・・・。」
神崎さんの声に無言で立ち上がる松潤。
メンバーはみんな少し不安な目で
楽屋を出る後ろ姿を見守る。
雅 「・・・愛利ちゃんの事かな・・・。」
翔 「だろうな・・・。」
雅 「大丈夫かな・・・。」
和 「どっちが?」
雅 「どっちがって・・・。」
智 「どっちも・・だよね?」
雅 「翔ちゃん、愛利ちゃんから連絡あったりしない?」
俺は相葉ちゃんの問い掛けに小さく首を振る。
メンバーの中で1番愛利と仲が良いのは多分俺だ。
6年前、潤くんに紹介されてメンバーは
みんなすぐ明るくて優しくて気遣いの出来る
愛利の事が好きになった。
中でも俺は音楽の趣味がめちゃめちゃストライクだったし、
何より性格が似てた。
潤くん抜きで飲みに行ったり、
潤くんの事相談されたり、俺も彼女の事相談したり。
俺と性格の似てる君だから
分かるんだ。
こんな時だからこそ
君は連絡してきたりしない、って。
自分の事よりも他人を優先するはずだから。
こんな時だからこそ何よりメンバーの事を考え、
誰よりも
潤くんを
困らせたくないんだよね?