第13章 辛い過去1
[保健室]
夏炎を保健室に運び手当してもらい今はベッドでぐっすりと眠っている
「頭の傷はそんなに深くなかったから消毒したが、足の方は骨にヒビがはいっていると思うから病院に行った方がいいぞ」
「わかった。ありがとう先生…」
レオは先生にお礼をし眠る夏炎の手を握った
その近くで椅子に座って凛月から手当をしてもらっている梨花は、少し落ち着いたが目にはまだ涙を浮かべていた
「ほらこれで目冷やして」
「うんっ」
「それにしてもお前が彼女いるとは思わなかったな。零の奴が知ったら「あいつに教えたら殺すからね」はいはい…」
ガラッ…
「連れてきたよれおくん」
レオの頼みで何処かへ行った泉があの人と共に帰ってきた
泉の後ろにいたのは『皇帝』と呼ばれている天祥院英智だった
「やぁ月永くん。事情は大体瀬名くんから聞いたよ。もう手配したから僕の車で行くといいよ」
「…相変わらず夏炎の事になると行動が早いな」
「僕の可愛い妹みたいなものだからね」
「フン!夏炎は渡さないからな!セナ、急いで俺の鞄持ってきてくれ。リッツは梨花のそばにいてやれ。多分梨花を1人にしたらまた襲われる可能性があるからな」
「そうするつもりだよ。梨花、家まで送るよ」
「うん…レオ、夏炎ちゃんをお願いね」
「おう」
凛月は梨花を支えながら保健室を出ていった
泉は急いでレッスン室にあるレオの鞄を取りに行き、レオは夏炎をゆっくり抱き上げ門前に止めてある車に向かった