第8章 舞台
当日
「本日の「黒の王子と白の王女の物語」にお越し頂きありがとうございます。この度司会を伏見弓弦がやらせて頂きます」
「う〜司会が長い!」
「そんなに慌てなくても舞台は逃げないよ」
「おまえは呑気に紅茶飲んでるな…おれにも飲ませろ!」
舞台裏でレオと英智は衣装に着替え待機していた
二人の衣装は王子の衣装で、レオは黒の王子、英智は白の王子の衣装だ
「そういえば夏炎の姿が見えないね」
「夏炎なら衣装のチェック中」
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『クロ〜これで大丈夫かな?』
「大丈夫だ。赤坂の衣装は手間掛けて作ったから時間が掛かっちまったが似合ってるぞ」
『ありがとうクロ』
今回の衣装は鬼龍と夏炎の2人で作った
レオの衣装は夏炎が作り、英智と夏炎の衣装は鬼龍が作った
夏炎の衣装はマーガレットを飾りの王女風の衣装
「にしても「黒の王子と白の王女の物語」って絵本か?」
『あはは…『皇帝』様が付けたらしいわ』
「『皇帝』様も子供だな…そろそろ始まるから月永の所にいけ」
『うん』
夏炎は駆け足でレオの元へ行った
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「では「黒の王子と白の王女の物語」の舞台を最後までご覧ください」
♪~♪~
きゃーーーー!
美歌の女王様ーー!
視界が終わったと同時にステージが照らされ、マーガレットを持った夏炎がしゃがんでいた
夏炎はニコニコ動画やYouTubeなどで踊りや歌が上手いと評判で「美歌の女王様」と有名になった
音楽が流れ夏炎はマーガレットを使い踊り始めた
曲にはストーリーがある
1曲目は…
ある白の国の王女が夜に花畑で踊っていたら散歩中の黒の王子に出会い恋に落ちる話
「おれは貴女の事が好きです。おれの姫になってください」
『王子…はい、貴方の姫にさせてください』
レオは夏炎の左手の薬指に口付けをした
それに観客は黄色い悲鳴をあげた